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創業10周年にあたり、マカイラの歩みと取り組みのご紹介と、皆様への感謝(マカイラ代表取締役CEO 藤井宏一郎) 2024.08.07

マカイラは10年前、「公共戦略コミュニケーション」を強みとするコンサルティング会社として生まれました。

マカイラは今から10年前の2014年6月3日に、赤坂のシェアオフィスの片隅で、社員一人の小さなコンサルティング会社として生まれました。

設立時の想いは、今もマカイラのウェブサイトの「創業時のご挨拶」に書いてあるとおり「日本に、公共的・社会的領域での専門コミュニケーション・コンサルティング会社を作りたい」というものでした。

現代社会は、パーセプションやナラティブで出来ている、と思います。そのため、広告などの商業的な分野のコミュニケーション活動だけでなく、より公共性・社会性の高い領域でのコミュニケーション活動支援の専門家が増えることが、日本にとって必要だと、私たちは考えていました。

具体的には、アドボカシー、ロビイング、政策コミュニケーション、公共マーケティング、非営利マーケティング、選挙マーケティング、パブリックディプロマシー(広報文化外交)などを含む、「パブリックアフェアーズ」や「公共戦略コミュニケーション」と呼ばれる分野です。

日本がこの領域での遅れを取ってしまうことは、

  • 新しいテクノロジーやビジネスモデルを社会実装させる際のスピードを遅らせたり、
  • さまざまな国内課題に関する社会の対話や合意形成を阻んだり、
  • 国際社会に対しても強いアジェンダセッティングを行い、思想で世界をリードすることを妨げてしまう、

というのが、私たちの課題意識でした。

マカイラはこの領域を発展させ、日本の社会と世界をより豊かにすることに貢献するための会社として、強い想いをもって創業されました。

  • 創業にあたり予想していた二つの社会トレンド

マカイラが設立された、ちょうど10年前というのは、まさにこのような活動へのニーズが日本で拡大していく時期に、二つの意味で該当していました。

一つ目のニーズは、テクノロジー産業やスタートアップ業界の量的・質的変化です。従来の、SNSやゲーム産業など、ウェブ空間に閉じたIT産業だけでなく、シェアリングエコノミー、ロボティクス、ドローン、モビリティ、フィンテック、ヘルステック、宇宙、バイオ、再生可能エネルギーなど、実世界でフィジカルな活動を行うスタートアップが大量に登場する時代が来ました。これらの新しい産業は、いずれも各分野の法規制との調整や社会規範との対話なくしては、そのままストレートには普及できないため、公共戦略コミュニケーション活動へのニーズが大量に増えました。

もう一つは、いわゆる「社会課題解決」や「ソーシャルグッド」の文脈です。東日本大震災やSDGsの開始、ミレニアル世代の台頭などをきっかけに、こういった社会的インパクトを非常に重視する時代がやってきた、ということです。これは、産業界に一種の精神的な構造転換を要求するもので、どんなビジネスも、「社会的な意味づけ」や「ナラティブ」のコミュニケーションを求められるようになりました。

まさに、これらの来るべき潮流を予見して創業されたマカイラは、おかげ様で産業界、政府セクター、市民セクターにわたるさまざまな領域のクライアント様のご支持をいただき、成長することが出来ました。

今では、40人近いチームとなり、毎月、何十にも渡るクライアント様の活動を支援させていただいています。これまでご支持いただいた皆様に、心から御礼を申し上げます。

また、さまざまなメディアにも取り上げていただいた結果、日本における「パブリックアフェアーズ」の草分け的存在とも呼ばれるようになり、「パブリックアフェアーズ」という概念を日本社会に普及させることに、多少なりとも貢献できた、との自負も持っています。この10年で、さまざまな企業や団体がパブリックアフェアーズ活動に取り組むようになり、弊社のようなパブリックアフェアーズのコンサルティング会社も増えました。

一方、そのような中、弊社も歩みを止めることはありません。創業当初は、いわゆるロビイングを中心とした政策渉外活動の支援が多かったですが、今では、Makaira Art & Design、MAD という、ビジネス開発からクリエイティブまでを支援するチームや、メディアやSNSなど社会に向けて広く情報発信を行うMakaira Public Relations という二つの社内カンパニーも擁し、全方面での公共戦略コミュニケーション支援をワンストップで行える体制を整えています。

それだけでなく、この領域のさらなる発展と普及のために、自主メディアの企画発行、公共政策研究会の開催、ソーシャルビジネスに関するスクールの開校、など、自主プロジェクトにも積極的に取り組んでいます。

  • 4つの自主プロジェクトの発表

もともと「日本に、公共的・社会的領域での専門コミュニケーション・コンサルティング会社を作りたい」という想いで立ち上げたマカイラですが、私たちは同時に、「ホリスティックにアップデートしていく社会」という、明確な社会ビジョンを持っています。

これは、「すべてはつながっている」という信念の下、局所的な個別最適よりも、バランスの取れた全体最適を優先し、ステークホルダー間のボトムアップな対話で、より良い社会を共創していく、という社会モデルです。

私たちは、これまでも、このビジョン実現に向けて、さまざまな自主プロジェクトに取り組んできました。今年、創業10周年にあたり、さらにビジョンを加速させるために、私たちは新しく、4つの取り組みを開始することになりました。ここでみなさんにご紹介させてください。

① スタートアップエコシステムにおける支援プレーヤーとしてパワーアップ

まず一つ目は、スタートアップエコシステムへのコミットメントの強化です。既に、私たちがご支援するお客様の半分以上は日本のスタートアップです。イノベーションの力で社会課題を解決し、活力ある社会づくりを主導するスタートアップを支援するプレーヤーとして、スタートアップエコシステム協会との連携を強化しつつ、ますます活動をパワーアップさせていきます。

② the Good Lobby とのパートナーシップ提携

二つ目は、欧州のNGO「the Good Lobby」とのパートナーシップ提携です。政治と企業の関係の透明性向上を目指し、「よいロビイング=Good Lobby」のための普及啓発を行う同団体の活動を、日本で支援することになりました。

③ Call4とのパートナーシップ連携

三つ目は、公共訴訟プラットフォームである「CALL4」とのパートナーシップ連携です。世の中を変える方法には、ロビイングやメディアキャンペーンの他に、司法、すなわち裁判を通じて変える、というという方法があります。そのための公共訴訟の活用を呼びかけるCALL4の活動を、コミュニケーションやクリエイティブの観点から支援し、社会課題解決に向けたアクションにおける連携を強めます。

④ 社会に開かれた芸術活動としてのArt Project 

最後の四つ目は、社会に開かれた芸術活動としてのArt Project です。今後、世の中の在り方を映し出し、批評し、創る芸術活動として、「感性と社会性が出会う場所 」をテーマに、さまざまな芸術活動の支援の場を提供していきたいと思っています。この活動のマニフェストはMADのウェブサイトに掲載してありますので、ご関心をお持ちいただける方は、どうぞご一読いただけると幸いです。

  • 三木悠莉さんのポエトリーリーディングについて

このArt Projectの第一弾として、まず、日本のポエトリーリーディングの第一人者である三木悠莉さんに、マカイラの創立10周年を記念する詩を創作、朗読していただきました。「マカイラ」の社名の由来であるラテン語のクロカジキ(blue marlin)と古代ギリシャの剣の名、カモメのようなロゴを題材に、「広い世界を高速で駆け巡る・いつも尖っている」、という会社のスピリットを盛り込み、果敢な自己変革と躊躇いなき自己発見の旅路について、リリカルに歌い上げていただきました。

ポエトリーリーディングは、もともと、第一次大戦前後の米国シカゴの社会派詩人たちから間接的に影響を受けた、西海岸のビート詩人たちのカウンターカルチャームーブメントから世界に広まり、今やアフリカやアラブ諸国でも隆盛を極めている芸術活動です。同じく、1980年代にシカゴで生まれた、対戦形式のポエトリーリーディング大会である「ポエトリースラム」も、今や世界各地で開催されています。

「言葉」には、社会を変える大きな力があると思います。「言葉」の会社でもある、コミュニケーション・コンサルティングのマカイラとして、今後もこのムーブメントと連携していきたいと思っています。

また今後、新しい時代と向き合う中で、美術の分野では、バイオ・アートやメディア・アートとも積極的に関わり、支援したいと思っています。今後、生命美学のプラットフォームであるmetaPhorestのみなさんとの協業も予定していますので、これからの展開を楽しみにしていてください。

  • 改めて御礼

さて、この挨拶を締めくくるにあたり、マカイラの10年間を支えて下さった皆様に、改めて、心から御礼の言葉を述べたいと思います。多くの皆様の応援とご支援のもとに、なんとかこの10年を駆け抜けることが出来ました。次の10年は、さらに大きな飛躍の10年にしたいと思います。「公共戦略コミュニケーションの力で日本と世界をより豊かにする」、という創業時の想いを大切に、これからも、社会に必要とされる会社になっていきたいと思います。本当にありがとうございました。

マカイラ株式会社 代表取締役CEO
藤井 宏一郎

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