小さな変化を、社会の変化につなげる方法

草野 百合子 シニアコンサルタント

これまでどんな仕事をされていたのですか。

大学卒業後、経済産業省に入省しました。私は元々、教育格差をはじめとする社会格差に関心があり、経済産業省を選んだのは「困っている人ができるだけ減るようにしたい。そのためには、仕組や制度を変えることに取り組みたい。そして、多くの人の困りごとや、格差の根本は経済だ」という気持ちからでした。経済産業省は、横串で政策を見る課と、各産業別の原課があるのですが、私は横串で政策を見る課にいたことが多かったです。経済連携協定の交渉や、税制改正等に携わりました。その後、経済産業省での仕事をする中で、仕組・制度を作る立場ではなく、そのきっかけとなるような新しいもの・サービスを作っていく側の立場から仕事をしてみたいと思うようになり、教育ベンチャーに移りました。教育ベンチャーでは、中高生向けの教育プログラムのプロジェクトマネージャー等を務めていました。

そこからマカイラに転職したきっかけを教えてください。

教育ベンチャーでの仕事はとてもやりがいがありました。他方で、自分の会社で生まれる新しい教育の在り方のような、「新しい、小さな変化」を仕組や制度、社会全体の変化につなげるにはどうしたらよいのか?というところが自分としてはやはり気になるところであり、また自身が取組んでみたいところでもあると感じました。様々な人に話を聞いてみる中で見つけたのが、役所を辞めたときにはあまり意識して見ていなかった、その間をつなぐような「パブリックアフェアーズ」という職種でした。

マカイラではどのような仕事を経験されましたか。

マカイラは、外資系企業、日本のスタートアップ等、財団・NPO等をクライアント様としています。 また、それぞれのクライアント様の事業の中では、どういった場面でパブリックアフェアーズを必要としているかが異なっています。そのため、戦略策定から実行フェーズまで、クライアント様のニーズに応じて幅広くサポートをさせていただいています。

今後のビジョンについてお聞かせください。

長期的には、「新しい・小さな変化のきっかけを作り、それを社会に広められるよう仕組・制度化を促していく」というプロセス全体に、自分自身で取組みたいと思っています。 ある時代には適切であった仕組や制度が、技術変化や社会構造の変化によってそうではなくなるということはいつの時代にもあることです。今の時代は、産業革命にも例えられるような急速な技術変化が起こっているときで、さらに日本では人口構造の変化も同時に起こっています。どういう変化が、どこで起こっているのかよく知り、既存の仕組みや制度を少しずつ変えていくことに貢献できればと思っています。

草野 百合子 シニアコンサルタント